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【海外トレンド発信】未来のキャッシュフローをAIで予測するサービス『YayPay』

2018年6月11日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

キャッシュフロー予測の精度を高めるのは、在庫戦略と並んでとても難しいテーマのひとつだ。両方とも色々な『予測』が関連し合い、精度はその予測達の精度に依存してしまうからだ。しかし経営者にとってはキャッシュフローほどリアルな精度が欲しいものはない。この『予測』の精度を高めるためにAIを利用したサービスがアメリカで誕生し、既に$5.3Mの投資をベンチャーキャピタルから受けて注目されている。サンフランシスコのYayPayだ。

YayPay
https://www.yaypay.com/

入金予測の精度が上がらなかったワケ

顧客に請求書を発送し締切日を設定しているからと言って、その通り締切日に入金されるものとしてキャッシュフローを予測していたら全く精度のない予測になってしまう。実際今まで夜に出ていたキャッシュフロー系のITサービス達は『締切日』に頼ったデータ予測が限界で、あまり使う意味を見出だせなかった。現実には締切日など(特にアメリカでは)ただの目安であって、本当に入金されるタイミングは顧客によっても状況によっても違ってくる。各顧客毎にこれらの事情を加味して入金予測をするなど、到底できる事ではなかった。
ヒトにできない事をAIで

そこで、AIを使って各顧客毎の『入金トレンド』を掴み、可能な限り入金予測の精度を上げようとしているのがこのYayPayのサービスだ。無数にある顧客ひとつひとつに対し「この顧客は締切日当日、この顧客は平均して10日後、またに大幅に遅れる事有り」などのトレンドを把握し、それを入金予測に反映させる。過去データからのトレンド分析は機械学習の最も得意とするところなので、データが増えれば増えるほど予測の精度が上がっていく。


ベンチャー企業への導入が盛ん

YayPayはサンフランシスコ拠点なだけあり、ベンチャー企業への導入が盛んなようだ。対応システムもQuickbooksやIntact、Salesforceなどまだ大企業にはなっていないベンチャー企業が使いそうなシステムが多い。ベンチャー企業にとって資金繰りは死活問題なので、このサービスは一気に拡がる可能性は高いだろう。
テーブルが大きいとクラッシュ!

さて、出来上がったデータ群を元にデータ分析を開始しようとするとここでまた事件が起こる。エラーが出てしまってプロセスできないのだ。Googleでエラーコードを検索して調べていったところ、このエラーは元データが大きすぎる時に出てきてしまうものらしい。せっかく各テーブルを繋げて意味あるデータを作れたのに今度は「大き過ぎる!」と言うのだ。もう!と思って更に詳しくググっていくと、どうやらできあたった大きなデータの中で、必要のないデータ列を「隠す」というテクニックがあるらしい。エクセルで言うところの「J列とK列は今は必要ないデータだから隠しておこう」というようなテクニックだ。そんな事で解決するのが疑問を感じながらも試したみたところ、これで見事解決した。後々わかったのだがこの「不必要なデータを隠す」という作業はとても重要で、データ分析のプロセススピードを上げる効果があるらしい。必要なデータ以外は「隠す」というのが基本らしく、これをしないでデータ分析にかかると毎回プロセスに時間がかかってしまいグルグルしたアイコンを見ながら待つ時間が生じてしまうらしい。

進めば進むほど新たなハードルと遭遇するTableauだが、有難いのはBIツールの中では歴史があるのでGoogleで検索すると解決策を探し出しやすい点だ。これが最近出たばかりのシステムだとこうはいかないと思うので、歴史があったりユーザーが多かったりするのは、新しいシステムを選ぶ際にとても重要な事なのかもしれない。



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