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【海外トレンド発信】売掛と買掛の自動化が経営の重要なファクターに

2021年1月13日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

会計業務の自動化はコスト削減や業務のスピードアップのためにとても重要だが、その中でも昨今は売掛と買掛業務の自動化が企業にとって死活問題となってきている。売掛を早く回収し、買掛支払をギリギリまで遅らせる事によって資金繰りを改善する事ができるからだ。古典的な資金繰り策ではあるが、コロナ禍などでキャッシュフローが目まぐるしく変わる経営環境では資金繰りがとても大事になる。CFO.comの以下の記事でその詳細が紹介されていた。



Automation increasing strategic value of AP/AR operations
https://www.cfodive.com/news/automation-increasing-strategic-value-apar-operations/608543/
自動化はかなり進んでいる
売掛の消込、買掛の支払いは現在ではかなり自動化が進んでいる。銀行口座と入出金情報をリンクさせ、入金情報を会計データと照合し自動的に消し込みを行ったり、請求書を読み込む事により自動的に支払い手続きを入力し期限ギリギリに支払うよう設定する事もできる。アメリカでは未だにチェックでの入金があったり紙での請求があったりするので完全に人手を介さない事は難しいが、かなりの部分が自動化されてきている。
スタッフは予測業務へ
自動化で余力ができたスタッフ達は消込などの作業ではなく今後の入出金予定やトレンド予測を行う事になる。データ分析業務となるため今までのスキルセットとは異なる場合が多いが、これらできないと今後売掛や買掛業務での仕事は無くなってしまう。

刻々と状況が変わる昨今の経営環境では、ライブでキャッシュフローを予測しその時の最適解を導き出す事が重要になってくるだろう。
今までの実績の契約金額も公開
Upworkでは過去のUpwork経由の業務実績の内容や金額を公開しているが、アメリカ国内では時給等の金額は業務内容によって概ね相場があり、大きな差が出る事はない。しかしこれが全世界からの応募となると歴然とした金額の差が出てくる。例えばイギリスの応募者は時給$95。しかしインドやマレーシアの方は時給$20だ。実績を見ても大きな差はないが、金額には大きな開きがある。先進国の人達は時給が高いなりの明らかなバリューを提示できないと厳しい世界になっていた。
金額の差はサービスの差とは無関係
しかしそれでも、英語でのコミュニケーションが不安定だったりすると困るので、時給が高くても安心できる人に頼みたいという気持ちもある。ところが、実際に各人とやりとりしてみると金額の差はサービスの差とは関係ない事がよくわかった。一番期待していたイギリス人はレスポンスがとても遅く内容も的を得ない。最もやりとりがスムーズだったのはウクライナの方であった。彼はウクライナで英語圏の企業向けのウエブサイト構築サービスをチームで展開しているらしく、実績も殆どアメリカ企業の顧客。英語もパーフェクトでやりとりも簡潔で、現地時間の23時ごろでも返事を返してくれるようなスピード感であった。しかも時給は$25。もう彼のチームしかないという事で発注する事となった。

考えてみると今まで発注していた会計業務もアメリカ国内に限定する理由は殆どなかった。全世界に向けて発注していたらもっと良い方々に付加価値の高い仕事を依頼できていたかもしれない。そう思うともう次回からは間違いなく“全世界”を指定して募集をかけるようになるだろう。業務のリモート化が進んだ昨今はこうも簡単に海外に業務を依頼する事ができてしまう。こうなると英語圏の先進国で仕事をしている人達はどんどん厳しくなってくる。会計業界でもこの流れは更に進んでいくのだろう。
第2ラウンドスタート

4月27日に第2ラウンドのローン受付がスタート。今度の予算は$250B。前回より少ない。今回は大企業が申し込みしにくい世論環境が整ったが、それでも一瞬で無くなってしまう気配は濃厚だ。メガバンクのローン申請システムは未だにフリーズ状態でカクカク言っている。埒が明かない。そこで私は新興勢に目をつけた。Paypalだ。私が取締役をしている企業の殆どはメガバンク経由での申請で立ち往生していたためPaypalでのローン申請に切り替えた。今回の件でパンク状態となってしまった金融機関を補完すべく、政府はPaypalなどの新興フィンテック勢にも銀行免許を急遽発行したのだ。『新興のPaypalであればまだパンクしていないはず』という目論はみごとに当たり、トントンとプロセスが進む。結果ローン申請は3日ほどで完了し、後は政府からの返答待ちという状態となった。$250Bに潜り込めたかどうかはあと数日後にわかるだろう。

もし潜り込めたら2ヶ月間は今の人員を維持できる。しかしダメだったら更なるリストラを決行する必要が出てくるかもしれない。全てはロックダウンがいつ終わり経済が正常に戻るかにかかっている。ピリピリした春になりそうだ。

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