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【海外トレンド発信】チームを一つにする魔法のツール「Vivid Vision」

2021年7月29日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

“Vivid Vision”という言葉を最近よく聞くようになった。会社のホームページなどでその企業のビジョンが語られる事は多いが、ここで言うVivid Visionはもっと詳細な可視化したようにイメージできるレベルのビジョンだ。このVivid Visionが今経営ツールの一つとして注目されている。アメリカの大企業の社長達の相談相手として有名なCameron Herold氏が書いた下の本がVivid Visionというツールに火をつけた。



Vivid Vision : A Remarkable Tool For Aligning Your Business Around a Shared Vision of the Future
https://www.amazon.com/Vivid-Vision-Remarkable-Aligning-Business-ebook/dp/B079XWZYHG



私が取締役を務めているイギリスの企業でも現在このVivid Visionの作成に取りかかっている。コロナ禍でリモートのメンバーが多くなり、またこの会社は今後衰退するメイン業務と今後育てるベンチャー業務の2つが共存しており、チーム間に溝ができ求心力が薄れてきていた。それぞれが自分の仕事だけをやり他には関心がないという状況になりつつあったため、もう一度チームを一つにするためにVivid Visionを作成する事になった。

○年後の自社のパンフレット
このVivid Visionは『うちの会社はこうあるべき』という漠然としたものではなく、また『こうなっていたい』という希望を描くものでもない。いわば○年後の自社のありのままを紹介するパンフレットだ。事業内容や規模、組織編成、企業文化、人事精度などを明確に定め、○年後の人材採用や営業活動にそのまま使えるレベルのビビッドな(明確な)姿だ。多くは3年後の自社の姿を策定する事が多い。この姿を明確にする事によって、それに至るまでのロードマップを作成していくとそれがそのまま経営計画になるというシナリオだ。
その通りになる事が目的ではない
変化が激しい昨今のビジネス環境では、3年後にVivid Visionの通りの姿になることはあまりない。しかし、それで良いらしい。Vivid Visionの目的は予定や目標を設定する事ではなく、あくまでチームをひとつにするための経営ツールという立ち位置だ。3年後にこうなっていようという姿を経営陣が示し、それを全従業員に共有する。その3年後の姿に魅力を感じない人は会社を去る事になり、共感する人はその船に乗り込む。乗り込んだ人達はもう日々自分の仕事をなんとなくやるという目的意識ではなく、Vivid Visionを実現化していくという他のチームメンバーと同じ目的を持って仕事に取り組むようになる。

先に触れたイギリスの企業ではVivid Visionの作成自体にも全従業員に関わってもらっている。中小企業だからできる事ではあるが、大筋を経営陣が示した後に従業員達の意見も取り入れて微調整をしている。そうなると、自分も関わって作ったVisionとなるのでより“自分ごと”感が強くなる。実際、今まではなかなか変化を受け入れなかった一部の従業員達が、自分から新たな職域にも入っていくべきだと考えるようになった。

リモートワークが多くなり人との接点が少なくなった現在の経営環境では、今まで以上にこのようなチームをひとつにまとめるための経営ツールが重要になってくるように思う。
経済的成功とその代償
ミレニアル世代は、上の世代で繰り広げられる企業内の椅子取りゲームとその代償を客観的に見ている傾向があるようだ。仮に出世している上司がいたとしても羨望の眼差しというよりは『あんなに個人や生活を犠牲にしてまで、あのポジションが欲しいのか?』と思う人が多いらしい。企業で出世して経済的成功や社会的ステイタスを得るという考えはあまりなく、ライフワークバランスを取りながら、もっと人生的、社会的に意味のある事を追求したいという志向があるようだ。少しフランス的な文化になってきたと言えるのかもしれない。

このような志向の人達が増えているせいもあり、企業に属して生活を依存するよりはフリーランスに近い形での生活を模索する人が増えているようだ。フリーランスの職務内容や報酬レベルがどんどん上がっている今の状況は、よい経験を積んだ40代のミレニアル世代がフリーランスの価値や市場を拡げていっているのだろう。


二発目はウォークイン
3週間後に二発目の接種に行くと、今度は普通に駐車場に車をとめてウォークインで建物に入った。入り口でQRコードをスキャンすると「はい、じゃあ53番に行ってください」と言われ広大な会場を見渡すと、遠くの方に53番という旗を挙げている看護師が見えた。恐らく100番以上の接種ステーションがあったと思う。53番に着くと、前回と同様問診が行われ、そのまま接種。終了すると15分の待機エリアに誘導され、15分経った人から退場。聞くところによると、二発目は前回より接種者が多い(一回目の人と二回目の人が混ざるため)ので、ドライブスルーでは対応できないという事で急遽ウォークインに変えたそうだ。たったの3週間でここまでガラッとシステムを変えられるとは凄いと関心させられた。
二発目の副反応は少しハード
今度は接種翌日に37度超の発熱があり一日寝込む事となった。しかし多くの人がそうだったように、二日目には回復して通常通りとなった。

二回のワクチン接種をして驚いた事がいくつかあった。一つは日頃は(日本人に比べて)いい加減なアメリカ人達が、見事にシステマティックな接種体制を整えて、まさにF1のピットストップのように効率的な接種を行っていた事だ。状況に応じて素早くドライブするーからウォークインにシステムを大変更したのも驚きだった。そしてもう一つはボランティアの多さと素晴らしさだった。車を誘導する人も摂取する看護師も、軍の関係者とボランティアでまかなわれていた。その数は膨大な数だがこれだけ多くの人がボランティアとして素早く集結する事に感銘した。また、ボランティアは自発的に参加しているためか、一般の病院などよりも親切でハツラツと明るい対応をしていて、とても気持ちよく接種を受ける事ができた。このような光景を目の当たりにすると、自分も何かコミュニティーに貢献しないといけないなという気分になった。
第2ラウンドスタート

4月27日に第2ラウンドのローン受付がスタート。今度の予算は$250B。前回より少ない。今回は大企業が申し込みしにくい世論環境が整ったが、それでも一瞬で無くなってしまう気配は濃厚だ。メガバンクのローン申請システムは未だにフリーズ状態でカクカク言っている。埒が明かない。そこで私は新興勢に目をつけた。Paypalだ。私が取締役をしている企業の殆どはメガバンク経由での申請で立ち往生していたためPaypalでのローン申請に切り替えた。今回の件でパンク状態となってしまった金融機関を補完すべく、政府はPaypalなどの新興フィンテック勢にも銀行免許を急遽発行したのだ。『新興のPaypalであればまだパンクしていないはず』という目論はみごとに当たり、トントンとプロセスが進む。結果ローン申請は3日ほどで完了し、後は政府からの返答待ちという状態となった。$250Bに潜り込めたかどうかはあと数日後にわかるだろう。

もし潜り込めたら2ヶ月間は今の人員を維持できる。しかしダメだったら更なるリストラを決行する必要が出てくるかもしれない。全てはロックダウンがいつ終わり経済が正常に戻るかにかかっている。ピリピリした春になりそうだ。

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