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ワークダイバーシティ

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【海外トレンド発信】キャッシュフロー専業のクラウドサービス『Flight』

2018年4月12日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

キャッシュフローは会計システムの機能の中で最も“弱い”ものの中の一つだ。理由は『予測をしなければいけない』からだろう。人間が資金繰りを組む際には明らかになっている数字は実際のものを使い、わからないものについては過去のトレンドや予算を頼りに将来の資金繰りを組んでいく事になる。この不確実性の高いキャッシュフロー業務を専門に扱うクラウドサービスが米シアトルに誕生した。Flightというサービスで、最近頻繁に広告を見るようになった


Flight
https://www.cashflowtool.com/accountants

ターゲットは中小企業

大企業であればある程度資金繰りは自動化されていたり、職人芸を有した優秀なスタッフがいたりなどして、資金繰りを心配するケースは少ないだろう。ところが中小企業はそうはいかない。社長は毎回給料日の度に「今回の給料日は無事乗り切れるか・・」という心配と向き合わないといけない。給与以外でも大きな支払が来た時はなんとかそれを工面したり、工面できない場合は顧客に謝ったりなど、資金繰りは一番頭の痛い問題だろう。Flightはそんな中小企業の経営者をターゲットにしている。
Quickbooksに特化

アメリカの中小企業の会計ソフト市場はまさにQuickbooksの独占状態で、Quickbooksが使えるか使えないかが経理職の採用基準だったりする。Flightは対応する会計ソフトをこのQuickbooksに絞り、QuickbooksからスムーズにデータをFlightに流し込めるよう作り込んでいる。
予測とアラート

Quickbooksから流し込んだ様々なデータをFlightが自動的に解析。そして決まっている数字はそれを使い、決まっていない部分については過去のトレンドを分析してキャッシュフローの予測をはじき出す。更に残高不足になりそうな時やイレギュラーな取引があった場合はスマートフォンにアラート(警告)を飛ばす事もできる。これがあれば「資金繰りは大丈夫なのかな・・」と心配していなくても、アラートが来なければ良い知らせと考えて安心して経営にあたる事ができる。中小企業経営者にとってはとても助かるサービスだろう。

今後期待されるのは、「この顧客は毎回◯日くらい支払が遅れる」などを自動的に学習し、それを加味して資金繰りを組んでくれたら更に嬉しい。キャッシュフローは毎日変わる生き物なだけに、細かい部分の予測が積み重なればどんどん精度が高まる。今後の発展が楽しみなサービスだ。
  
















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