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会計実務家コラム

会計ダイバーシティでは、会計領域でご活躍されている実務家の方々のコラム記事などをご紹介してまいります。
業界の動向や時事問題などをテーマにした独自の視点・見解の内容となっておりますので、新たな発見の一助になれば幸いです。

田原中男氏の尖った提案

2017/2/27 その95 プレ金?

なんでも短くする最近の傾向でプレミアム金曜は“プレ金”になるようですが、“民活”から大きく離れた官製イベントしか話題にならないのは活性化していない証拠です。

同じような官製運動に“ふるさと納税”があります。『ふるさと』と言いながら自分の出身地ではない自治体への『納税』ができるという概念に当初から違和感があり個人的には一度も利用したことがありませんし、これからも利用するつもりはありませんでしたが、最近になって過度の返礼品競争への批判や、減収になる都市部の自治体からもようやく疑問の声が上がり始めました。

そもそも、どのような目的があったのかも不明ですし、弊害があることも予測できたので法律としての体型が整っておらず、単なる人気取り政策と言われてもやむを得ないところです。

いつも提言していることですが、企業を始めとして民間の活力と積極性のなさが気になります。
トランプ大統領ではありませんが、経済の活性化は官主導ではなく民主導でなされるべきでしょうし、企業からの発信力が大きく落ちていることが最大の気懸りです。

財界総理と称されたこともある経団連会長も発言力が衰え、存在感が薄れていて政治と経済のせめぎ合いも見られません。

トランプ大統領の誕生やルペン候補の人気は政策の中身よりも、既存体制への批判が奥底にあり不満のはけ口として過激な言動に却って人気が集まるという危険な状況を作り出しています。

選挙という観点から見ると、これらの国に限らずギリシャでも英国でも高い投票率を維持していますが、日本では投票率自体が低くせいぜい60%程度しかありませんので、6割の得票率でも有権者全体の3割、場合によっては2割程度で当選してしまい、本当に国民の意見が反映されているのかどうか不安です。

自分の意見を述べるという教育がなされず、集団に逆らわない行動が良いことという意識が企業にも蔓延していることが活力を奪っているのではないでしょうか。
普段の生活の中でも自分の意見を明確にすることが大切です。

コラム著者 BMDリサーチ代表 田原中男氏

1946年生まれ。東京大学経済学部、ハーバードビジネススクール(PMD)CIA(公認内部監査人)
1970年、ソニー入社。人事、ビジネス企画、管理業務、子会社再建、内部監査を担当。特に内部監査については、金融、映画等すべてのビジネス領域を包括的に評価することを可能とするグローバルな内部監査体制を構築。2003年からはグローバルなソニーグループ全体の内部統制体制構築に勤める。ソニー退社後、新日本監査法人アドバイザーを経て、現在、内部統制コンサルティングBMDリサーチ代表。

田原中男氏の尖った提案 バックナンバー

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BMDリサーチ http://www.bmd-r.com