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ワークダイバーシティ

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【海外トレンド発信】企業の資産は不動産から人材へ

2020年4月17日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

今までは企業の資産と言えば資産計上と減価償却可能な不動産や設備等の動産が主流であった。しかし今はそういったものよりも人材が資産と考えられているようだ。PwCが行ったCEOサーベイによると、企業の取締役会はその企業が有能な人材を獲得し活用できるシステムを持っているかどうかを注視する事が求められているようだ。



PwC’s 22nd Annual Global CEO Survey
https://www.pwc.com/gx/en/ceo-survey/2019/report/pwc-22nd-annual-global-ceo-survey.pdf
CEOの選解任やサクセションプランでは足りない
取締役会は株主の代表として企業の経営を司る機関だ。その取締役会に株主達が求める機能として、CEOの選解任やサクセッションプランは最も重要なものだ。トップ次第で会社は大きく変わってしまいかねないからだ。しかし今はそれだけでは足りず、経営陣だけではなく従業員レベルまで取締役会が注視する事を株主達は求めているらしい。では具体的に取締役会がどのようにタレントマネジメントに関われば良いのか。Financial Management誌でいくつかの手法が紹介されていた。



Why boards must focus on talent beyond the C-suite
https://www.fm-magazine.com/news/2020/feb/talent-strategies-beyond-c-suite-22969.html?utm_source=mnl:adv&utm_medium=email&utm_campaign=27Feb2020&SubscriberID=131408244&SendID=260433
1.取締役会自体のダイバーシティ
取締役会のダイバーシティが進んでいないと、結果的に従業員も偏りがちで有能な人材を発掘するのが難しくなる。バラエティに富む経歴やスキルの取締役が揃い、国籍も性別も様々であればある程、幅広い世界からタレントを発掘するチャンスが拡がるという事だ。
2.有能な人材を見つけ出すシステム
社内で有能な人材を発掘しその人を重用していく流れは通常はとても属人的なものとなる。上に上がってくる人はもちろん有能な人が多いが、実は他にもスポットライトが当たらない有能な人材が隠れている事が多いらしい。そういう人を発見する何らかの仕組みを社内にインストールする事が重要との事だ。毎月の優秀社員表彰制度などは単にモチベーション維持のためではなく、タレントを発掘するためのシステムとしても活用できるそうだ。
3.メンター制度と取り入れる

有能な人材を発掘できたらその人を大切に育てていかないとけない。その時に役に立つのがメンター制度だそうだ。どんな人でも壁にぶつかったり周囲から認めてもらえなかったりと、そのまま放置すると離脱しかねないタイミングは多くある。そういう時に信用できるメンターがいると自分の状況を俯瞰する事ができたり、事態を改善できる可能性があるそうだ。
4.従業員文化を知る

取締役が毎月ランチョン等の場を設けて、様々な立場の従業員と交流する事はその企業の文化や今流れている空気感を把握する助けとなるらしい。人事部門から上がってくる情報やデータだけを見ていても、本当の“今の状況”はわからないとの事だ。ただ、私個人的には普通の従業員が取締役とランチを共にしたところで、本音の部分を語れるとはとても思えない。例えば取締役がふらっと現場に来て、現場の人達に質問をしたり意見を求めたりする事が普通の景色になるようであれば、従業員達の状況をリアルに感じ取ることができるのかもしれない。

人材の流動化やデータベース化が進む昨今だからこそ、タレントマネジメントはこれから今まで以上に重要となっていくだろう。取締役会も足元の業績にばかり目を向けていければ良い時代ではなくなってきている。

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