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ワークダイバーシティ

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【海外トレンド発信】CPA(公認会計士)のクラウドソースという新しい流れ

2019年10月21日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

会計士の仕事はバーンアウト(燃え尽きる)する人が多い。それは監査でも税務でもFASのデューディリジェンスでも共通し、洋の東西も問わず存在する問題だ。その原因は季節性だ。監査も法人の税務申告も法人の決算期が集中する時期に一気に工数が必要となり、デューデリではM&Aが進む段階で急に大量の人が必要となる。一年を通して安定した業務量があるような仕事が少ないのだ。

業務の安定のためにピーク時に備えて過剰な人員を揃える場合は雇用主が犠牲となり、逆に備えない雇用主の場合には従業員が犠牲となって激務に耐える。この業界では当たり前とされるこの問題に対し「何とかしたい!」と立ち上がったスタートアップが最近アメリカで存在感を出しつつある。CPAのクラウドソースサイトだ。ピーク時の突発需要にCPAをクラウドソースできるようにし、雇用主の働く側の負担を軽減しようというものだ。サウスカロライナのPrepLinkとフロリダのAccouningflyがそれに取り組んでいる。



PrepLink
https://preplink.io


Accountingfly
https://accountingfly.com
リモートワークを重視

両社共にリモートワークの案件に注力しており、PrepLinkに至ってはリモートワークのみの扱いとなっている。雇う側からしてみたら「一時的に出社して業務をして欲しい」と思うかもしれないが、それでは働く側の負担が大きくサイト運営側もマッチングに地理的制限が出来てしまうので成り立たないのだろう。自宅で仕事をしたい人やリタイヤした人、育児休暇中の人などにとってとても便利なプラットフォームになりそうだ。
今後の拡がりはどうか?

両者共に新しい会社でまだまだスタートアップだが、Accountingflyは既に1億円弱の出資を得ており今後の盛り上がりが期待される。恐らく鍵となるのは供給側のCPA達をいかに集められるかだろう。需要はその季節になれば爆発的に出る事は見えているので、供給サイドをどう集めるかが重要だ。多くのCPAはフルタイムで働いており繁忙期は誰も死にそうになっていてフリーランスで働く余裕などない。リタイアした人は最近のデジタル化についていけない人も多いので、メインターゲットとなるのは育児休暇中の人達になるのだろうか。フルタイムワークを持たずフリーランスのみで生きていくCPAが増えてくれば更なる拡がりが期待できる。CPAもデジタルやスタートアップの力で働き方改革が進行していきそうだ。
予測は分散管理

経理部や経営企画部が予算を取りまとめる集中的な管理手法では、当然毎月予測を改定するなどできるはずがない。各部署がそれぞれの予算を管理し、それが自動的に予測に反映されるシステムが必要になる。最近はそのようなシステムが複数あるのでそれらを活用する事になるだろう。しかしここで各部署が管理する予算が単に「先月と同じ金額を入れておこう」というような古典的なものだと何の意味もない。そこで重要となってくるのがDriver baseだ。
管理するのは金額ではなくドライバ

各担当者は、売上やコストに影響を与えているドライバを注意深く観察する。そしてそのドライバの数値を調節する。商品の市場価格、仕入れ値、ロジスティクス費用、人件費などのトレンドを各担当者が毎月見直し、その小さなドライバの数値を調節していく。そしてそれがシステムを通じて向こう30ヶ月の予測として自動的に集約されていく。ここまでできればもう年度予算による経営管理を捨てて、継続的な予測に基づいた機動的な経営をする事が可能となる。

アメリカでは既に4年程前からこのような経営管理に移行している企業があるようだ。これは間違いなく今後のトレンドとなってくるだろう。

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