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【海外トレンド発信】M&Aデータが狙われ始めたサイバー犯罪

2021年1月19日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

ランサムウエア(身代金を要求するサイバー犯罪)の被害者は今までは中小企業が多かった。企業のサーバに入り込みデータへのアクセルをロックし、ロックを解除して欲しければ身代金を支払えという手口が多く、知り合いの企業でも実際に被害に遭い身代金を支払ったケースがあった。ところが最近は手法が変わってきたらしく、上場企業のM&A情報がターゲットになっているようだ。以下の記事でその詳細が紹介されていた。



Ransomware criminals targeting confidential M&A data, FBI warns
https://www.cfodive.com/news/ransomware-criminals-targeting-confidential-ma-data-fbi-warns/609604/
データロックではなく、データ公開で恐喝
コロナ禍で業績不振にあえぐ企業が増え、それに伴いM&Aが相次いでいるアメリカではM&A情報によって株価が大きく上下する。良いM&Aであれば下がった株価が回復するが、身売りをしているのに買い手が見つからないような情報が出ると下がった株価が更に下がってしまう。ハッカー達はランサムウエアを使って企業のサーバに入り込み、この身売り情報を取得するようになってきているらしい。そしてその情報を公開されたくなければ身代金を支払えという手口だ。FBIからの警告によると既に3件同様の手口が発生している。
キーワードを使って該当データを検索
今までのランサムウエアはサーバのデータをロックするのが常套手段であったが、大企業のサーバとなるとそう簡単にロックすることは難しい。それが故に中小企業がターゲットになっていたのだが、大企業であってもサーバ全体をロックするのではなくサーバ内のでデータを検索する事ならランサムウエアで可能らしい。Nasdaq、M&A、10-Qなどのキーワードを使って該当しそうなデータを探し出して入手するようだ。大企業をターゲットにできれば身代金の金額も上がるので、ハッカー達の新たなターゲットとなっている。

サイバー犯罪による被害は今後もうなぎ登りに増えて行く事が予想されており、今後サイバーセキュリティー領域の重要性は更に増して行きそうだ。
外部へのレポーティング
上場間もない企業の場合は外注していてもしばらくしたら内製化される事が多い定時業務である。しかし全て内製すべきかどうかは難しい。完全に内部の社員で作成したレポーティングは、外部のステークホルダーが欲しい情報とズレてしまう事があるからだ。一部外注を残して外部の目から見て欲しい情報、要らない情報を精査し、完結でわかりやすい内容にしていく事はIR的にとても重要だ。

内製か外注かは各企業によって事情が異なると思うので、業務を精査しこの決断をしていく事はCFOの重要な役割になっていくだろう。
金額の差はサービスの差とは無関係
しかしそれでも、英語でのコミュニケーションが不安定だったりすると困るので、時給が高くても安心できる人に頼みたいという気持ちもある。ところが、実際に各人とやりとりしてみると金額の差はサービスの差とは関係ない事がよくわかった。一番期待していたイギリス人はレスポンスがとても遅く内容も的を得ない。最もやりとりがスムーズだったのはウクライナの方であった。彼はウクライナで英語圏の企業向けのウエブサイト構築サービスをチームで展開しているらしく、実績も殆どアメリカ企業の顧客。英語もパーフェクトでやりとりも簡潔で、現地時間の23時ごろでも返事を返してくれるようなスピード感であった。しかも時給は$25。もう彼のチームしかないという事で発注する事となった。

考えてみると今まで発注していた会計業務もアメリカ国内に限定する理由は殆どなかった。全世界に向けて発注していたらもっと良い方々に付加価値の高い仕事を依頼できていたかもしれない。そう思うともう次回からは間違いなく“全世界”を指定して募集をかけるようになるだろう。業務のリモート化が進んだ昨今はこうも簡単に海外に業務を依頼する事ができてしまう。こうなると英語圏の先進国で仕事をしている人達はどんどん厳しくなってくる。会計業界でもこの流れは更に進んでいくのだろう。
第2ラウンドスタート

4月27日に第2ラウンドのローン受付がスタート。今度の予算は$250B。前回より少ない。今回は大企業が申し込みしにくい世論環境が整ったが、それでも一瞬で無くなってしまう気配は濃厚だ。メガバンクのローン申請システムは未だにフリーズ状態でカクカク言っている。埒が明かない。そこで私は新興勢に目をつけた。Paypalだ。私が取締役をしている企業の殆どはメガバンク経由での申請で立ち往生していたためPaypalでのローン申請に切り替えた。今回の件でパンク状態となってしまった金融機関を補完すべく、政府はPaypalなどの新興フィンテック勢にも銀行免許を急遽発行したのだ。『新興のPaypalであればまだパンクしていないはず』という目論はみごとに当たり、トントンとプロセスが進む。結果ローン申請は3日ほどで完了し、後は政府からの返答待ちという状態となった。$250Bに潜り込めたかどうかはあと数日後にわかるだろう。

もし潜り込めたら2ヶ月間は今の人員を維持できる。しかしダメだったら更なるリストラを決行する必要が出てくるかもしれない。全てはロックダウンがいつ終わり経済が正常に戻るかにかかっている。ピリピリした春になりそうだ。

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