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ワークダイバーシティ

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【海外トレンド発信】今最も話題のフィンテック企業 Clearco

2021年5月19日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

ベンチャー企業の資金調達は今まではベンチャーキャピタルが主流で、VCから調達できない場合は銀行等からローンを得る(もちろん経営者の個人保証付きで)が一般的だったが、このClearcoの登場で新たな調達手法が注目されている。Clearcoが行う資金提供は以下の特徴を持つ。

●信用調査なし(クレジットスコアが低くても問題なし)
●個人保証なし
●申し込み後すぐにローン提供
●毎月の返済額は売上連動(売上がなければ返済もなし)
●金利は一律6%


Clearco(カナダ)
https://clear.co/
ネット起業家達のニーズ大
シード資金をなんとか集めて事業を起こし、ネット上で売上を上げ始めた企業は伸びる企業であればある程グローイングペインに突き当たる。在庫や人の確保、またブランディングのための広告費などをつぎ込んで一気に売上を伸ばしたいところだが、その資金がない。しかし今の段階でVCに話してグロース前の評価額で出資を得ると、失うエクイティが大きい。それならばと銀行に走りローンの申請をすると必ず個人保証を要求され、更に個人資産がない場合はなかなかローンが降りないとう壁に遭遇する。そこに目をつけたClearcoは『売上連動ローン』で資金を提供する事にフォーカスした。「ローンなのでエクイティは取りません。毎月の返済は上がった売上の○%だけで結構です。売上が低い時は返済額も少なくなるので無理がありません。私達は売上しか気にしていないのであなた個人保証は必要ありません。」という謳い文句で起業家達のニーズに応え、VCに替わる新たなベンチャー資金調達方法となっていった。
オンラインに特化
しかしローンを提供する以上、相手が本当に支払い能力があるのかどうかをチェックしないわけにはいかない。売上連動ローンの場合は売上がどれくらいあるかを正確に把握する必要がある。Clearcoはオンラインビジネスに特化してローンを提供しているため、その点売上データの取得にはあまり苦労しないようだ。オンライン上の情報をシェアしてもらう事で客観性のあるデータを取得できるし独自にそのウエブサイトの分析を行う事もできるので、どの程度伸びているサイトなのかの見当がつくらしい。

売上が伸びている企業であれば、このローンを得る事で大きく成長できる可能性がある。売上が伸びているのでそれに連動する返済も困る事はないし、今回のコロナ禍のような不測の事態に見舞われてもリスクが少ない。そして大きく成長している数字を出したところでVCと次のラウンドの話を進める事ができる。そうなれば評価額が大きく違ってくる。この資金調達手法は今後も更にメジャーになっていきそうだ。
コメント機能で無機質さを補完
せっかくクラウドシステムを使っているのに、わざわざ『先程データをアップデートしました。』などとメールを送るようでは意味がない。しかし無言でデータだけ更新するのも引けを感じる相手もいるし、また補足説明が必要な場合はやはりメールか何かでコミュニケーションをとる必要が出てくる。しかしこのLayerにはデータを入れる際にコメントも入れる事ができるようになっているので、別メールを出す手間も省略できるようになっている。

ありそうで無かったとてもシンプルなクラウドサービスでとても使いやすい印象だ。ドイツ発祥にも関わらずアメリカで一気にユーザーが伸びているそうで今後も普及していくのだろう。Excelでのデータ集めをする人にとっては必須のアイテムになりそうだ。


3.出来合いの質問をしない
重要なミーティングやインタビューであればあるほど『これとこれをきちんと聞かないと!』などと意気込んでしまい、こちらの聞きたい事リストを決まり事のように聞いてしまったりする。しかし彼女の質問は出来合いのものではなく、その場で生まれた疑問点を随時聞いていくスタイルだ。それはインタビューというよりまるで普通の会話のようで、そのせいもあり相手は心を開いて色々話してくれていた。このスタイルだと恐らく聞きたい事リストの全てを聞く事はできなくなるかもしれないが、逆に聞きたいと思ってもいなかったような深い話が聞けるチャンスを増やしている。前もって用意できるような予測可能な質問よりも、そのような深い話の方が重要である事は明らかだ。

他にも色々興味深い点があったが、特に上の3点は目から鱗というか、改善しないといけないと思う点であった。これからの日々の業務の中で心がけていこうと思う。
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ローンを受けた大企業は連日次々と判明し、新聞等で大バッシングを受けた。このバッシングによりLAレイカーズなど多くの企業が政府にローンをすぐさま返金するという事も起きた。しかしマスコミに嗅ぎつけられていない大企業は未だ多く、恐らくバレるまでは返金しないというスタンスを取るのだろう。
第2ラウンドスタート

4月27日に第2ラウンドのローン受付がスタート。今度の予算は$250B。前回より少ない。今回は大企業が申し込みしにくい世論環境が整ったが、それでも一瞬で無くなってしまう気配は濃厚だ。メガバンクのローン申請システムは未だにフリーズ状態でカクカク言っている。埒が明かない。そこで私は新興勢に目をつけた。Paypalだ。私が取締役をしている企業の殆どはメガバンク経由での申請で立ち往生していたためPaypalでのローン申請に切り替えた。今回の件でパンク状態となってしまった金融機関を補完すべく、政府はPaypalなどの新興フィンテック勢にも銀行免許を急遽発行したのだ。『新興のPaypalであればまだパンクしていないはず』という目論はみごとに当たり、トントンとプロセスが進む。結果ローン申請は3日ほどで完了し、後は政府からの返答待ちという状態となった。$250Bに潜り込めたかどうかはあと数日後にわかるだろう。

もし潜り込めたら2ヶ月間は今の人員を維持できる。しかしダメだったら更なるリストラを決行する必要が出てくるかもしれない。全てはロックダウンがいつ終わり経済が正常に戻るかにかかっている。ピリピリした春になりそうだ。

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