• TOP
  • ≫ ワークダイバーシティ

ワークダイバーシティ

会計ダイバーシティでは働き方の多様性(ワークダイバーシティ)を支援しております。
勤務をしていると、現職の業務中心でなかなか他業界、異職種の情報は入り難いことと思います。
様々な職種(業務内容)や勤務スタイル、海外勤務例などを紹介してまいります。ご自身の今後のキャリア形成の参考として頂けますと幸いです。

【海外トレンド発信】会計業務の完全リモート化を実現するサービス

2020年10月20日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

最近のFacebook広告はターゲティングがとても優れている。まるで私の頭や心の中を知っているかのように、次々と興味深い広告を表示してくる。最近はリモートワークの助けとなるクラウドサービスがよく表示され、広告を見れば見るほど次々と「これはどう?これはどう?」と新しいサービスを紹介してくれる。そんな中でとても気に入って早速導入したサービスがこれだ。チェック(小切手)支払いをゼロにできるサービスだ。



Meilo
https://www.meliopayments.com/
今だにチェック社会のアメリカ
日本では信じられないと思うが、アメリカの法人決済はまだまだ「チェックを郵送する」というスタイルが主流だ。チェックにサインをしてそれを封筒に入れて郵送し、受け取った側はそれを自分の銀行口座に預入する。預入された翌日に支払った側の銀行口座からその金額引き落とされる。IT先進国のアメリカが、この部分だけは思い切り紙社会となっている。このチェックを扱う業務があるとなかなかリモート業務になりきれない。例えば支払い時には私がチェックにサインをしないといけない。空のチェクを数枚サインをして担当者に渡しておいてもすぐに「チェックがなくなってしまったんですけど・・」と連絡が入りサインをしにオフィスに行かないといけない。また連日郵便で届く多くの顧客からの支払いチェックは、担当者が消込を行った後銀行に預入しないといけない。銀行への預入は専用のスキャナを使ってオンラインで預入したり、スマホアプリでスキャンするシステムもあり少しはオンライン化されている。しかし支払いのサインだけはどうにもならなかった。


チェック払いをクレジットカードで
というキャッチフレーズのFacebook広告がある時目に飛び込んだ。これだ!これが欲しかったんだ!と思い夜中にも関わらず早速詳細を調べてみた。オンラインで支払いを登録すると、このMeilo社がチェックを支払い先に送ってくれるらしい。その費用はこちらにはクレジットカードでの引き落としとなり、実務的にはクレジットカード払いと同じとなる。もうサインをする必要も、誰かが封筒に入れて切手を貼って郵送する必要もなくなる。更に詳しく見ていくと、クレジットカードの請求は一ヶ月後となるので、実質的に支払いを一ヶ月遅らせるのと同じ効果がある。当然その分キャッシュフローに余裕ができる。また、きちんと決済階層を設ける事ができるので、担当者が入力しサイナーが承認するという機能もある。また、毎月の支払いは登録しれおけば何もしなくても自動的にチェック払いを完結してくれる。そしてさらに、これは少々せこい考えだが、会社のチェック払いを全てクレジットカード払いにできると、かなりのマイレージを貯める事ができる。早速弊社で導入し、問題ない事を確認した後顧問先企業にも勧めて導入した。

チェック払いの無くす というとてもシンプルなサービスだが、使う方の有り難さは計り知れない。これと同様のサービスも数社出てきているので、これからもっと流行るサービスとなるのだろう。
テレワークの浸透もアクセル役に
パートタイムになる彼らの話では、今やテレワークでできるパートタイムの高額報酬案件が多くあり、皆2~3件掛け持ちして仕事をしているそうだ。全て合わせると今の給与の倍近くになる人もいるらしい。しかも3件あれば彼らもリスクを軽減できる。働いてみて合わなかったりしたらまた一つだけ変えればいいという事で、彼らのワークライフバランスも安定するという事だ。

今までも、会社の中で複数部署を掛け持ちなどという事はよくあった。特に役職者の場合複数部署を受け持つ人は結構多い。これからは部署ではなく複数の会社を兼務し勤務先のポートフォリオの一部を組み替えながらキャリアアップしていくという生き方が増えていくのかもしれない。

翌日審査完了でスピード融資
ポチッた翌日、融資審査が通ったという通知と共に融資契約書がメールで送られてきた。オファーされた融資上限金額がそのまま銀行に振り込まれ、それが元本になるようだ。となると先に受け取ったアドバンスは融資金額に含まれない事になる。やはりあれは本当にただ補助してくれただけだったのだろうか。。金利の3.75%は安くはないが、アメリカで普通に融資を受けようとすると4%~6%の金利がかかる。そう考えると、今後の不測の事態に備えて借りておいた方がいいかもしれないと思い、そのままこの融資を受ける事にした。

返済は12ヶ月後からスタートする事になっているが、どこにどうやって返済するのかもまだ明らかにされていない。きっと何らかの返済システムを準備して12ヶ月以内には明示されるのだろう。準備が整う前にどんどん始めてしまうあたりが実にアメリカらしいと感じた一件であった。
●●
ローンを受けた大企業は連日次々と判明し、新聞等で大バッシングを受けた。このバッシングによりLAレイカーズなど多くの企業が政府にローンをすぐさま返金するという事も起きた。しかしマスコミに嗅ぎつけられていない大企業は未だ多く、恐らくバレるまでは返金しないというスタンスを取るのだろう。
第2ラウンドスタート

4月27日に第2ラウンドのローン受付がスタート。今度の予算は$250B。前回より少ない。今回は大企業が申し込みしにくい世論環境が整ったが、それでも一瞬で無くなってしまう気配は濃厚だ。メガバンクのローン申請システムは未だにフリーズ状態でカクカク言っている。埒が明かない。そこで私は新興勢に目をつけた。Paypalだ。私が取締役をしている企業の殆どはメガバンク経由での申請で立ち往生していたためPaypalでのローン申請に切り替えた。今回の件でパンク状態となってしまった金融機関を補完すべく、政府はPaypalなどの新興フィンテック勢にも銀行免許を急遽発行したのだ。『新興のPaypalであればまだパンクしていないはず』という目論はみごとに当たり、トントンとプロセスが進む。結果ローン申請は3日ほどで完了し、後は政府からの返答待ちという状態となった。$250Bに潜り込めたかどうかはあと数日後にわかるだろう。

もし潜り込めたら2ヶ月間は今の人員を維持できる。しかしダメだったら更なるリストラを決行する必要が出てくるかもしれない。全てはロックダウンがいつ終わり経済が正常に戻るかにかかっている。ピリピリした春になりそうだ。

ワークダイバーシティ記事一覧

※ 過去のワークダイバーシティ記事一覧はコチラからご覧ください。