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ワークダイバーシティ

会計ダイバーシティでは働き方の多様性(ワークダイバーシティ)を支援しております。
勤務をしていると、現職の業務中心でなかなか他業界、異職種の情報は入り難いことと思います。
様々な職種(業務内容)や勤務スタイル、海外勤務例などを紹介してまいります。ご自身の今後のキャリア形成の参考として頂けますと幸いです。

【海外トレンド発信】頻繁なレポーティングが及ぼす悪影響

2020年9月4日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏
先日CFO.comに少しドキッとさせられる記事が載っていた。業務レポーティングの頻度が上がれば上がる程、スタッフのモティベーションを削いでしまい、パフォーマンスが下がるという記事であった。


Frequent Worker Reporting Lowers Worker Performance
https://www.cfo.com/workforce-management/2020/07/frequent-worker-reporting-lowers-worker-performance/?utm_campaign=CFODailyAlert&utm_nooverride=1&utm_source=CFO-email&utm_medium=email&utm_content=CFODailyAlert_Wednesday_2020-7-22&utm_term=workforce-management

テレワークが主流となってから各自の動きが見えにくくなり、ついつい業務報告の頻度を増やすよう関係者に求めがちだったため、とても胸に刺さる内容であった。
レポート=評価対象
レポートを求める側は単に現状を把握しておきたいだけであっても、レポートを出す側にとってはそれは『評価される』ものであって、適当にありのままを記述するわけにはいかない。当然レポート内容をデコレーションする事にいくばくかのエネルギーを費やす事になり、業務効率を落とす事になるそうだ。また、レポートの頻度が上がれば上がるほど、自分自身で判断して業務を進める必要性が薄まり、何か起こっても「レポートしてましたよね」というエクスキューズが出てくるため責任感も希薄化してくる。自分の業務に対するオーナーシップが減り、心理的に軽くなり、コミットメントが浅くなる。これではいい仕事ができるはずがない。
『見えない』をどう解決するか
とはいえ、テレワークや距離も時差もあるクロスボーダー業務の場合、状況が見えないとどうしても不安がある。また、見えた時はもう遅いという事だって起こりうる。レポーティングを減らしつつ業務の見える化を図るにはどうしたら良いものか。。。色々悩んだ末にたどり着いた対策案は定例のショートミーティングであった。毎週決まった日時に15分ほどの短いミーティングを行い、たいしたトピックがない時でも必ず実施するようにしている。1対1の場合もあれば数人のグループの場合もあり、Zoomなどを使って顔を見てコミュニケーションしている。最近は慣れてきたので皆気負いもなく、プライベートの近況報告も交えながら業務の情報交換もできている。それでもやはり実際に会って話をしたり一緒に仕事をしたりするほど繊細に相手を感じる事はまだできていない気がするので、まだまだミーティングを工夫したり他の方法も考えたりする必要がありそうだ。ポストコロナの時代にはレポーティングやミーティングに今まで以上に気を配り、有効なものにしていく必要がありそうだ。
ロックダウンで隆盛となったホームエクササイズ
買収ターゲットとなったのは、このロックダウンで大きく売上を伸ばしたMirrorだ。下のウエブサイトを少し見るだけで、興味をそそられるようなサービスだ。



Mirror
https://www.mirror.co/



以前から話題になっていた企業であったが、このロックダウンでジムが閉まり、人々が家の中で運動をするようになり一気に契約者数が伸びたようだ。Zoomでオンラインエクササイズをするような簡単なサービスではなく、専用のミラー(鏡の中にインストラクターがライブで映し出される)を購入しプライベートレッスンを受けるという高級なものだ。機器の価格は$1,000を超える。今までは金額など気にしない富裕層が入会していたのが、ロックダウンの影響で富裕層以外の顧客も獲得してきたようだ。

Lululemonは今後単なるアパレルブランドではなく、サービスも提供するエクササイズブランドとしての成長を目指しているようで、Mirrorはジャストフィットする企業だったのだろう。多くの企業はパンデミックで業績を落としているが、それによって今後補強すべき分野も明らかになってきている。今後はその分野をM&Aによって獲得しようという動きが活発になってくる可能性がある。
翌日審査完了でスピード融資
ポチッた翌日、融資審査が通ったという通知と共に融資契約書がメールで送られてきた。オファーされた融資上限金額がそのまま銀行に振り込まれ、それが元本になるようだ。となると先に受け取ったアドバンスは融資金額に含まれない事になる。やはりあれは本当にただ補助してくれただけだったのだろうか。。金利の3.75%は安くはないが、アメリカで普通に融資を受けようとすると4%~6%の金利がかかる。そう考えると、今後の不測の事態に備えて借りておいた方がいいかもしれないと思い、そのままこの融資を受ける事にした。

返済は12ヶ月後からスタートする事になっているが、どこにどうやって返済するのかもまだ明らかにされていない。きっと何らかの返済システムを準備して12ヶ月以内には明示されるのだろう。準備が整う前にどんどん始めてしまうあたりが実にアメリカらしいと感じた一件であった。
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ローンを受けた大企業は連日次々と判明し、新聞等で大バッシングを受けた。このバッシングによりLAレイカーズなど多くの企業が政府にローンをすぐさま返金するという事も起きた。しかしマスコミに嗅ぎつけられていない大企業は未だ多く、恐らくバレるまでは返金しないというスタンスを取るのだろう。
第2ラウンドスタート

4月27日に第2ラウンドのローン受付がスタート。今度の予算は$250B。前回より少ない。今回は大企業が申し込みしにくい世論環境が整ったが、それでも一瞬で無くなってしまう気配は濃厚だ。メガバンクのローン申請システムは未だにフリーズ状態でカクカク言っている。埒が明かない。そこで私は新興勢に目をつけた。Paypalだ。私が取締役をしている企業の殆どはメガバンク経由での申請で立ち往生していたためPaypalでのローン申請に切り替えた。今回の件でパンク状態となってしまった金融機関を補完すべく、政府はPaypalなどの新興フィンテック勢にも銀行免許を急遽発行したのだ。『新興のPaypalであればまだパンクしていないはず』という目論はみごとに当たり、トントンとプロセスが進む。結果ローン申請は3日ほどで完了し、後は政府からの返答待ちという状態となった。$250Bに潜り込めたかどうかはあと数日後にわかるだろう。

もし潜り込めたら2ヶ月間は今の人員を維持できる。しかしダメだったら更なるリストラを決行する必要が出てくるかもしれない。全てはロックダウンがいつ終わり経済が正常に戻るかにかかっている。ピリピリした春になりそうだ。

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