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【海外のトレンド発信】世界の会計事情(ドバイ)

2017年6月27日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

中東のキラキラ都市『ドバイ』には世界中の大企業から中小企業まで様々な会社が拠点を構えている。フリーゾーンという経済特区が数多くあり、その中に拠点を構える法人(FZE)は多くの場合『無税』となる。無税とは、法人税もなく消費税もなく関税もないというまさに本当の無税だ。就労ビザの取得も容易で、外国人や外国企業にとってとても便利なビジネス拠点となっている。
FZE(フリー・ゾーン・エンティティ)とは

フリーゾーンという経済特区の中に構える外国企業用の法人形態がFZEだ。フリーゾーンというと、国から指定された行政区域のようなものを想像しがちだが、ドバイの場合全くそのような堅苦しいものではない。いくつかのビルが固まっているビジネスコンプレックがフリーゾーンになっており、イメージ的には『六本木ヒルズの中は“ヒルズフリーゾーン“』、『丸ビルと新丸ビルの中は“丸ビルフリーゾーン”』といった感じだ。FZEを設立するのも外務省や法務局に行くのではなくそのフリーゾーンの事務局、つまり“ヒルズ事務局”や“丸ビル事務局”で行う。当然ながら設立する法人の内容よりも『この中のどのお部屋を借りますか?』という話が先行し、不動産契約をするとFZEが付いてくるようなイメージだ。
就労ビザの申請

上述の要領でフリーゾーンに物件を持つと『就労ビザは何人必要ですか?』という質問が飛んでくる。そう、ビザの発給手続きも“ヒルズ事務局”が行うのだ。設立したFZEの役員であれば5日ほど滞在すれば簡単にビザを発給してくれる。仮に自分以外にもう一人ビザを発給して欲しい場合は事務局に問い合わせればOKだ。「二人ビザが必要でしたら、もう少し大きめのこのお部屋になります。」「三人以上だとこの部屋、十人以上だと・・」と部屋の紹介が延々と続く。部屋の広さに応じて発給できるビザの数が決まってくるという、いたって合理的で現金なシステムだ。
FZEのランニングコスト

私のお客様が保有しているFZEはかなり小さめの部屋で発給ビザ2名までとなっている。ビジネスライセンスを含む年間の家賃は200万円程。ビザ1名でシェアスペースの場合もう少し安くなるようだが、それでも150万円くらいかかるようだ。
ビザの必要性

ドバイにFZEを持っていても日頃は別の場所でビジネスをしている人も多いので一見ビザまでは必要ないようにも思える。しかし、現地でFZEの銀行口座を持つにはビザが必要となる。口座開設時はビザなしでも開設できるが、90日以内にビザを提出しないと勝手に口座を閉鎖されてしまったりする。FZEの口座を持つ場合は設立時にビザも取ってしまう方が得策だ。
無税とはどういう事か?

例えば『交際費はどこまで認められるのか?』や『設備投資をどこまで一気に費用化する事ができるのか?』などという議論がそもそも無い。法人税が無いのだから気にする必要がないのだ。会計基準は国際会計基準がメインで、多くのFZEが国際会計基準を採用している。FZEはオフィス物件の更新と同時にFZEの法人ライセンスも更新するのだが、その時に現地公認会計士による監査証明書の提出が必要となる。ただ、監査と言っても欧米や日本の監査とは異なり簡易なものだ。“ヒルズ事務局”に問い合わせると提携している会計事務所を幾つか紹介してもらえる。監査費用は財務諸表作成込みで20万円くらいからとなる。
無税ではない取引

FZEはフリーゾーン以外の場所で消費者向けにビジネスをするとその分は税金を納める必要が出て来る。ただ、フリーゾーン外であっても法人向けにビジネスをする分には無税となる。例えば欧米や日本から何かを輸入するのは無税。輸入したものを小売店や卸業者に販売するのも無税。輸入したものをフリーゾーン外で一般消費者に販売すると税金がかかるという仕組みだ。
中東やアフリカ、又は時差の少ない欧州でビジネスを行う企業にとって、ドバイは自由度が高くとても利便性が高いビジネス都市だ。今後も世界中の大小様々な企業を引き寄せ、更にキラキラ、いやギラギラした都市になっていきそうだ。弊社も今後更にドバイでのノウハウを蓄積していこうと思う。

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