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【海外トレンド発信】日払い給与導入企業が採用で優位に

2021年6月16日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

日本では給与支給は月1回が普通だが、アメリカでは月2回が主流だ。月1回だと次の給料日まで家計がもたない従業員がかなりの数いる事から月2回を採用する企業が多い。アメリカ人の旺盛な個人消費はローンやクレジットカードなどで使えるだけ使ってしまう傾向があるので、かなり高額な給与を取っている人でも月1回ではまわらないというケースが多い。ところが最近は月2回でもまわらないという人が増え、日払い給与システムを導入する企業が出てきた。

日払い導入企業は採用難知らず
以前記事にしたが、アメリカではコロナ禍により失業者が増えている。普通に考えるとスタッフを採用したい企業にとっては買い手市場のはずなのだが、現実には長い間採用難で困っている企業が多い。連邦政府が支給する週600ドルの追加失業保険がその原因だ。普通の失業保険に加え週600ドルもらえるとなれば、働き続けるよりも失業してしばらなくは失業保険をもらっていた方が得をする人も多い。コロナ禍が明けて忙しくなってきているファーストフードやレストランなどはなかなかスタッフを採用する事ができず、失業保険の給付期間が終了して『そろそろ働かなきゃ』となっている人の争奪戦が勃発している。この争奪戦に勝つためには給与を上げるか条件をよくするしかないのだが、その条件のひとつとして日払い給与があるようだ。日払い給与を導入している企業には求職者が殺到するらしく、採用の大きな武器となっている。
簡単にはいかない日払いシステム
税務処理を無視して現金で給付するような場合は別だが、普通は支払い毎に源泉徴収を行い手取り額を従業員の銀行口座に振り込む事となる。しかし毎日そのような計算や送金処理などやっていられない。日払い従業員が多い場合は尚更難しくなる。このような理由から導入したくてもできない企業が多かった。
クラウド給与システムが日払いに対応
そんな中、給与システムではアメリカで2番目に大きいPaychex社が日払いシステムをリリースした。PayActivというシステムと組んでスマホに手取り額を随時送金できるようになっている。雇用主側はオンライン上で従業員毎のその日の勤務時間を入力するのみ。するとシステムが自動的に源泉徴収を行い手取り額をスマホに送金してくれる。この給与システムが話題となり、日払い給与を採用する企業が増えてきているらしい。

アメリカの給与システムは数十年の間ADPという企業が不動のナンバーワンであったが、これを機にPaychexが逆転するのではないかという話まで出てきている。給与システムは乗り換えるハードルがなかなか高い。過去のデータや政府への申告の絡みなど、セットアップが複雑だからだ。しかし今回のような切実な事情があれば、Paychexの逆転もあり得るのかもしれない。


二発目はウォークイン
3週間後に二発目の接種に行くと、今度は普通に駐車場に車をとめてウォークインで建物に入った。入り口でQRコードをスキャンすると「はい、じゃあ53番に行ってください」と言われ広大な会場を見渡すと、遠くの方に53番という旗を挙げている看護師が見えた。恐らく100番以上の接種ステーションがあったと思う。53番に着くと、前回と同様問診が行われ、そのまま接種。終了すると15分の待機エリアに誘導され、15分経った人から退場。聞くところによると、二発目は前回より接種者が多い(一回目の人と二回目の人が混ざるため)ので、ドライブスルーでは対応できないという事で急遽ウォークインに変えたそうだ。たったの3週間でここまでガラッとシステムを変えられるとは凄いと関心させられた。
二発目の副反応は少しハード
今度は接種翌日に37度超の発熱があり一日寝込む事となった。しかし多くの人がそうだったように、二日目には回復して通常通りとなった。

二回のワクチン接種をして驚いた事がいくつかあった。一つは日頃は(日本人に比べて)いい加減なアメリカ人達が、見事にシステマティックな接種体制を整えて、まさにF1のピットストップのように効率的な接種を行っていた事だ。状況に応じて素早くドライブするーからウォークインにシステムを大変更したのも驚きだった。そしてもう一つはボランティアの多さと素晴らしさだった。車を誘導する人も摂取する看護師も、軍の関係者とボランティアでまかなわれていた。その数は膨大な数だがこれだけ多くの人がボランティアとして素早く集結する事に感銘した。また、ボランティアは自発的に参加しているためか、一般の病院などよりも親切でハツラツと明るい対応をしていて、とても気持ちよく接種を受ける事ができた。このような光景を目の当たりにすると、自分も何かコミュニティーに貢献しないといけないなという気分になった。
第2ラウンドスタート

4月27日に第2ラウンドのローン受付がスタート。今度の予算は$250B。前回より少ない。今回は大企業が申し込みしにくい世論環境が整ったが、それでも一瞬で無くなってしまう気配は濃厚だ。メガバンクのローン申請システムは未だにフリーズ状態でカクカク言っている。埒が明かない。そこで私は新興勢に目をつけた。Paypalだ。私が取締役をしている企業の殆どはメガバンク経由での申請で立ち往生していたためPaypalでのローン申請に切り替えた。今回の件でパンク状態となってしまった金融機関を補完すべく、政府はPaypalなどの新興フィンテック勢にも銀行免許を急遽発行したのだ。『新興のPaypalであればまだパンクしていないはず』という目論はみごとに当たり、トントンとプロセスが進む。結果ローン申請は3日ほどで完了し、後は政府からの返答待ちという状態となった。$250Bに潜り込めたかどうかはあと数日後にわかるだろう。

もし潜り込めたら2ヶ月間は今の人員を維持できる。しかしダメだったら更なるリストラを決行する必要が出てくるかもしれない。全てはロックダウンがいつ終わり経済が正常に戻るかにかかっている。ピリピリした春になりそうだ。

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