• TOP
  • ≫ ワークダイバーシティ

ワークダイバーシティ

会計ダイバーシティでは働き方の多様性(ワークダイバーシティ)を支援しております。
勤務をしていると、現職の業務中心でなかなか他業界、異職種の情報は入り難いことと思います。
様々な職種(業務内容)や勤務スタイル、海外勤務例などを紹介してまいります。ご自身の今後のキャリア形成の参考として頂けますと幸いです。

【海外トレンド発信】ウクライナで働く人達の実態

2022年3月8日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

先の記事で、弊社はUpworkというクラウドソーシングサービスを利用し、世界9カ国に居住する24人のフリーランサー達と仕事をしている事を書いた。そして実はその中の一人がウクライナ在住の方で、今回の騒動でとても大変な事になってしまった。彼とのやりとりの内容や感じた事などを共有させていただこうと思う。
Upworkで大活躍のWeb開発企業
彼はVovaさん(仮名)というウクライナ在住のWebデザイン兼システム開発会社を経営している方で、Upwork内でとても人気が高く多くの実績を持っている方だった。何しろ、アメリカやイギリスの人たちの半額違い金額でプロポーザルを出してくるので、依頼主側は無視できない。他に50人ほどのプロポーザルが来たとしても圧倒的に目立つこの金額が当然目についてしまう。パキンスタンやインド勢も同レベルの金額を提示してくるが、Vovaさんのところはヨーロッパで、しかもアメリカ、イギリス、フランスなどの欧米諸国のWebsite開発実績が凄まじい。英語はネイティブではないが、私なんかよりはよほど上手で、何よりレスポンスが恐ろしく早い。いつ何を聞いても即レスがデフォルトだ。Upworkでは業務を依頼した人たちがレビューをするシステムになっており、Vovaさんは100%の依頼主が5つ星(最高評価)を付けているトップフリーランサーとなっている。
1月末
私にとって「ウクライナ=Vovaさん」なので、ウクライナ情勢が心配となった1月末に「大変な事になっているようだけど、大丈夫?」とチャットでお伺いしてみた。すると「いやいや、全然大丈夫ですよ。世界では何だか凄い報道がされているけど、こっちはとても平和な日常生活です。」と返事をしてくれた。昨晩食べたイタリア料理が美味しかったと写真を送ってくれるほど平和そうで、ひとまず安心する事ができた。
2月13日
Vovaさんから「チーム全員でポーランド国境付近に一時移住した」という連絡が入った。Vovaさんによるとこれはあくまでも念の為の措置で、安心して業務に当たる事ができるようにとりあえず職場を移動したとの事だった。VovaさんのホームタウンはSumyというロシア国境に近い街なので、より安全な場所にという事だったのだろう。2014年にロシアとの紛争が始まって以来、ウクライナはロシアの侵略を許した事は一度もなく、兵力も近代化が進んでいるので、今回も全く心配はしてないとVovaさんは言っていたが、移動したという事はやはり危機的なものを少し感じていたのかもしれない。
2月24日
昨日まで普通にやりとりしていたVovaさんとの連絡が急につかなくなった。いつも即レスのVovaさんだけに1日レスポンスがないというのは非常事態を意味しているように思えた。ネットワークが破壊されたなどの理由で連絡がつかないのであればいいが、大丈夫だろうか?ととても心配になった。2日目もレスポンスがなく、心配は日々募っていった。
2月26日
Vovaさんから、チームとその家族全員でポーランドに入る事ができたと連絡があった。「PCや機材一式も一緒に持ってきて、ポーランドでレンタルオフィスを借りてネットワークにも繋がったからもう大丈夫。今日からバリバリ仕事します。」との事。ホームタウンや家や知り合いがどんな事になっているのかもわからない状況で、この逞しさは凄まじい。「僕らは慣れているから大丈夫。でも、今回は酷いね。ここまでやられるとは想像もできなかった。」とVovaさん。一日も早く無事にVovaさん達がホームタウンに戻れる日が来る事を祈るばかりである。

ワークダイバーシティ記事一覧

※ 過去のワークダイバーシティ記事一覧はコチラからご覧ください。