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【海外トレンド発信】米でホットなロボット資産運用アドバイザー

2017年11月13日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

米の大手銀行Wells Fargoが、ロボットが応対する資産運用サービスを開始するらしい。下のウォールストリート・ジャーナルの記事でその詳細が紹介されていた。

『Wells Fargo Launches Robo-Investment Service』
https://www.wsj.com/articles/wells-fargo-launches-robo-investment-service-1510005480
ターゲットは若者の銀行預金

Wells Fargoは西海岸に強い大手銀行で、人々の普通預金口座などで日常的に使わている銀行だ。そのWells Fargoは以前から資産運用部門を持っていて、口座保持者の預金を資産運用に促し、運用金額に応じてアドバイザリーフィーを課金するというビジネスを行っていた。今回記事になった『ロボット資産運用』は、アドバイス自体をロボットに行わせる事によってアドバイザリーフィーを運用金額の0.5%程度まで下げ、若者の小口投資を促そうという狙いのようだ。
大手金融機関で続々導入

記事によると、ロボット資産運用ビジネスは2008年創業のBetterment LLCが有名で、ITや金融リテラシーの高い若者達から人気を集め、$10 Billion以上の運用金額を持っていると言われている。また、メリルリンチでは既にロボット資産運用サービスを開始しており、モルガン・スタンレーも導入予定との事だ。
今後5年で約5倍に成長も

Researcher Cerulli Associatesの調査によると、ロボット資産運用は運用金額が昨年末の段階で既に$80 Billionを超えており、5年後には約$385 Billionになると予測されている。今まで高いフィーを払って人間のアドバイスを受けていた人達がロボに流れ込むのか、又は今まで投資などした事がなかった人達が気軽に少額の投資を行うようになるのか、いずれにしても人間のファイナンシャル・アドバイザー達は今後ロボットと戦っていかなければならなくなりそうだ。
普通の銀行が導入するインパクト

上述の通りBetterment LLCやメリルリンチでは既にロボット資産運用を導入済みながら、今回はWells Fargoという普通の銀行が入ってきたところが大きなニュースになっているようだ。Betterment LLCは若者の『一部のインテリ層』がターゲットで、メリルリンチは『一部の投資に慣れた人達』しか口座を持っていない。

一方Wells Fargoはそれこそ社会人になりたての若者であっても銀行口座を持っているわけで、投資に全く興味や知識がない大部分の米国民にアプローチが可能だ。

知識はさほどなくとも『普通口座にある程度残高があるなら、定期預金や投資信託にした方がいくらか増えそうだ』という事は多くの人達が思っており、できればやりたいと思っている人も多いだろう。しかし、難しそうに感じられたりフィーが高かったりしたら敬遠されてしまう。

そこに、フィーが安くてある程度ロボット任せにできてしまうサービスがあれば、気軽に少額投資を始める人が増えるかもしれない。今後数年でWells Fargoのみならず大手銀行がこぞって導入仕出したら、もうアメリカでは資産運用はロボット任せが主流になるのかもしれない。

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