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【海外トレンド発信】監査業務でのRPA(ロボティクス)活用事例へ

2018年8月5日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

監査業務は企業内の会計や経営管理業務とは違い毎月行うルーティンの作業ではないので、RPA導入のイメージがなかなか湧きにくいが、The CPA Journalの以下の記事で図解付きで説明されておりとてもわかり易かった。

How Robotic Process Automation Is Transforming Accounting and Auditing
https://www.cpajournal.com/2018/07/02/how-robotic-process-automation-is-transforming-accounting-and-auditing/


監査フェーズ毎に異なる使い方

この記事の図解には、監査フェーズ毎にRPA活用方法がリストアップされていた。特にAnalytical Procedure(分析的手続)でもRPAを使うというのが意外だった。過年度の数字と比較したり適正数値を分析したりするのも過去のWorking paperのデータをRPAで取り込んで自動的に分析するようにするらしい。そして正常値から逸脱するものについてはアラートを出すように設定する。人力でAnalytical procedureを実施するには数に限りがあるが、ロボットならありとあらゆる数字を分析し異常値を洗い出すことができる。
実証手続きでは更に威力を発揮

例えば請求書は発注書をすべて読みこんで会計データとのマッチングを図る場合、抜けを確認したり数量のズレを確認したりするのと同時に金額も同時にRPAに確認させることができる。通常実証手続きは極力業務量を少なくするようデザインされるが、RPAを使えはかなり大きなボリュームの実証手続きを実行できる。単純作業的なものも多いこの実証手続きはRPAにはもってこいの作業なのだろう。
監査の元データの標準化がカギ

監査でRPAを使う際にはADS(Audit data standardization)がとても大事だという事が記事の最後の方で強調されていた。読み込むデータが標準化されていればRPAが効率的にデータを認識できるが、そうでない場合まずは元データを標準化するところからは始めなければならない。一度標準化できれば毎年同じ作業の繰り返しとなる部分も多いので、今年のプログラムを来年にも同じように使う事ができるじ、データの標準化をより進めたりRPAのプロセスを更に効率化したりなどのブラッシュアップも可能だろう。監査業務は今後もRPAの活用で益々効率化が進んでいくのだろう。
多くの売り案件が事業継承

私が実際の交渉を行った事務所も売却理由は事業継承だった。50代後半でまだまだ働けそうなCPAの方だったが、毎年のタックスシーズンの多忙さに疲れたらしく『アーリーリタイアしたい』という希望だった。お会いすると、その事務所は小規模なだけあってこのCPAの方が業務の殆どをコントロールしており、もし彼がアーリーリアタイアして事務所から抜けてしまうとなると誰も他に業務をまわせる人がいない事がわかり、私ではカバーしきれないため断念したが、大きめの事務所であればカバーできる人材が多くいると思うので話がまとまるのだろう。

私に届いた案件の多くは、売却希望価格が年間請求金額(売上)の1.3倍前後が多かった。このあたりが相場となっているのだろう。情報のやり取りや交渉の過程もスムーズでフェアなので、今後も良い案件があったら取り組んでみたいと思う。

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