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ワークダイバーシティ

会計ダイバーシティでは働き方の多様性(ワークダイバーシティ)を支援しております。
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【海外トレンド発信】先進のファイナンス部門はもう『エクセルの次』を使っているVol.3 Wdesk

2017年12月23日
モーゲンスターン・シカゴ 代表
米国公認会計士 村田幸伸氏

エクセルに代わる先進のITツールとして、米アドビ社で使われているAnaplan、P.F. Chang社で使われているAdaptive insightsを前回まででご紹介したが、今回は第三弾として『Workivia』について調査してみた。

WSJの以下の記事で、Wintrust銀行のWorkiviaの導入事例が紹介されていた。

『Stop Using Excel, Finance Chiefs Tell Staffs』
https://www.wsj.com/articles/stop-using-excel-finance-chiefs-tell-staffs-1511346601


Wintrust銀行の例

Wintrustはアメリカの中西部を拠点として大手地銀で、多くの中小企業がお世話になっている老舗的な銀行だ。経営者向けの経営セミナー等も積極的に開催しており、地元のビジネスオーナー達から絶大な信頼を得ている。この銀行では各支店ベースでエクセルを使った経営管理をしていたが、銀行であるにも関わらずなかなか信頼でるデータが出てこなかったそうだ。例えばCFOが「今月に完済されたローンは何件?」や「今四半期にリファイナンスに成功したローンは何件?」などの質問を投げかけると、様々な部署から様々な数字が返答されどれが正しいの確認しなければいけないような状態だったそうだ。この状態を打開するためにExcelの使用をやめWorkiviaを使った経営管理に切替え、素早く正しい経営情報を引き出す事に成功している。
Workaviaとは?

経営情報の中には定型的なものではなくアドホックに作成するものも多数ある。これらのデータはシステムからデータを落としてそこからエクセルで作業をする事になるが、一度ダウンロードされて個人のエクセルデータとなったものは、その後は誰とも連携される事がない。上述の例で言うと、各支店の担当者が基幹システムからデータを落とした後は、もうそれぞれの担当者がそれぞれにレポートを作っていく事になるので当然出来はバラバラになってしまう。また、基幹システムのデータに変更があったとしても、ある者はダウンロードし直して元データを修正したとしても他の者はしないなど、データの整合性も取れなくなってしまう。Workavia社が提供しているWdeckではこのような事がないよう、クラウドベースで全てのデータを連結させる事ができるようになっている。基幹システムのデータとWdeskを連結させ、ダウンロードせずに常に最新のデータに更新させる事ができ、また各人がWdesk上でレポートを作成していく事により、誰かが何かのデータを変更したら他の人のデータにもそれが反映されるようになっている。

こちらの動画を見て頂くと大まかな概要が掴めると思う。この動画ではSEC(米国証券取引委員会)向けのレポートをWdeskを使って自動的に最新情報にアップデートさせる例が紹介されている。
https://www.youtube.com/watch?v=q0WQpdXQ8Sw

Workaviaや前回のAdaptive insightと前々回のAnaplanは『Financial Corporate Performance Management Solution』というツールに属するらしく、OracleやIBM、BlackLineなどももこの手のツールを提供しているらしい。以下のカートナー社のレポートによると、その中でもWorkaviaはトップランナー的な立ち位置になっており、業界をリードしているサービスのようだ。

ガートナー社のレポート
https://www.workiva.com/resources/gartner-names-workiva-leader-financial-corporate-performance-management-solutions-magic

エクセルでの業務は完全には無くならないまでも、今後このような「エクセルの次」のサービスはますます発展し、私達の業務に欠かせないものになっていくような気がする。

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